たばた絞り × 039LAUNDRY
千年の都 京都に古くから伝わる京絞りの伝統を継承した「たばた絞り」。
その技術で手仕事の温かさと美しさが表現された、現代に溶け込む絞り染めは、古くて新しい存在感に溢れています。たばた絞りでしか実現することができなかった、特別なコラボレーションアイテムをご紹介します。
100種類あるといわれている絞り染め。ひとりの職人が生涯習得できる手法は数種類と限られています。京都絞り染め職人の田端和樹さんが持っている技法のひとつである手筋絞りは、生地に細かい筋を作り糸で巻きつけ太いロープのような状態にして染めることで、筋模様を作る技法です。糸を強く巻くと染料が入りにくくなり白色が多く仕上がり、糸を緩く巻くと染料が入りやすくなり多くの範囲が染まります。
絞り染めは、このように職人が一つひとつを手作業で丁寧に絞り模様を作り上げていたため、大量生産することができず、誰でも手に入れられる品ではなったことから希少性が高く、古来より高級品とされてきました。
元々は音響や照明の業界に身を置いていた田端さん。時代とともに絞り染めの技術の継承者が減少していく中「このままこの伝統工芸が衰退してしまうのはもったいない」とこの世界に足を踏み入れたのが始まりです。当初は京絞りの職人でもあった父 正美さんと一緒に”染め”だけで営んでいたためそこに特化していましたが、高齢化と需要の関係からいよいよ仕事が少なくなってきた時に工程の全てを自身で行うスタイルへ、時代の流れとともに変化していきました。
職人の道を目指しはじめた当初は、絞り染めに対しての知識や経験もなく、使用する染料や道具も全てが手探り状態で、ひとり試行錯誤する日々が何年も続きました。劇薬を素手で触ってしまったり、買ってきた染料を使っても上手く染まらず無駄にしたものもたくさんありましたが、失敗からは多くのことを学ぶことが出来、結果的にそれが強みとなっていきました。
伝統的な「京鹿の子絞り」は絹にしか染色してはいけないというルールがあります。「たばた絞り」は綿やウールなど染色素材に制限を設けないことにより、枠を超えたコラボレーション企画を次々と実現しています。その美しい絞り染めの技術は近年のソーシャルメディア社会の加速とともに世界に知れ渡り、注目を集めています。
そんなたばた絞りで表現される柄や色彩の美しさに衝撃を受け、今回039LAUNDRYのフラッグシップモデルでもあるアメリカン・シーアイランドコットンシリーズのTシャツに、たばた絞りの技術の一つである「手筋絞り(てすじしぼり)」を施してもらうことになりました。
通常は生地の状態で染めの工程を行われているため、製品になったTシャツに手筋絞りで染めることは、田端さんにとって初めての試みとなりました。出来上がりの柄をイメージしながら、生地の畳む方向と縛る糸の間隔や巻き加減など、納得がいくまで何度も微調整を繰り返します。
HEAVY WEIGHT Tシャツの厚みや縫製部分、カタチがあることから均等に生地が取れないことから、柄のちょっとしたいびつさが味となり全く同じものはひとつとない唯一無二の柄が生まれました。
絞り染めを後世に伝えていくため、京都芸術大学で講師をしていたことがある田端さん。講義の中で絞り染めを知らない学生たちが使う色目などには新しい発見がたくさんあり、今の世代の人たちが求めているものを探る良い機会となりました。そんな繋がりから、京絞りを学びたい大学生や留学生の受け入れも積極的に行っています。京都の絞り染めはきっちりした柄が多い中、ムラも味になる、完璧でないもの、人間らしいものが作品に滲み出て美しさに繋がっているのが「たばた絞り」の最大の特徴かもしれません。
企業秘密は設けず、すべてオープンに。そこに人が集まり楽しそうな空間ができると、そこには自然とまた人が集まる。自分の経験は自分だけのものになり、それを若い人たちと共有しながら技術は惜しみなく伝え、もっと世界へ発信していきたいと田端さんは考えています。
たばた絞り
京絞り染め職人
田端和樹さん
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